新商品 [odd glove] 軍手工房 (株)イナバ×宮田織物
開発経緯
宮田織物のモノヅクリから生まれる、新たな商品。
宮田織物では、先染めの綿織物を生産しています。
「先染め」というのは、生地を織る前に糸を先に染色し、
染め上げた糸を使って生地を織り上げていく事です。
年間に100柄近い生地を織り上げている宮田織物では、
複雑な縞柄や多色使いのデザインのものが多く、
準備する意図もかなりの量になります。
また、織物の生産工程の都合や、
自社製品としての品質を維持するため、
糸を最後まで使いきることが難しく、
「残糸」と呼ばれる糸が製品を作れば作るほど
在庫として残ってしまう現状がありました。
織物として再利用するには、処理にかなりの手間もかかってしまう。
色も多岐に渡り、製品として展開するのも難しい・・
糸自体は、上質・丈夫・綺麗に染め上げられていて
「使えすはずなのに、使えない」という頭を抱える在庫でした。
軍手を製造しているイナバさんとの出会い
そこで、協力してくれたのが
お隣久留米市北野町で
軍手を製造しているイナバさんです。
イナバさんとの出会いについては、
[コラボ] 軍手工房 (株)イナバ×宮田織物も、どうぞご覧下さい。
長年に渡る手袋製造の技術を生かして、
織物用の細くて丈夫な糸を使い、
伸縮性とデザインを兼ね備えた手袋を作って頂きました。
軍手としてホームセンターなどで売られている白い軍手の
約1/6の細さになる織物の糸を使い、
「自社で織っている織物の様に、
様々な色合いを複雑に表現しつつ、
手袋1枚1枚に表情のある商品にしたい。」
という想いを大事にしながら、
糸の組み合わせ方や、
色の表現の仕方など、
試作を重ねてつくりあげた商品ができました。
1枚1枚、柄や色の出方が違うという不揃い感を
購入されたお客様が楽しんで使って頂けるよう、
またサスティナブル商品として長く楽しんで頂けるよう、
片手を5枚で1セットにして、
「odd glove(片手の手袋)」という商品名で提案しています。
odd glove コンセプト
odd glove とは「片方の手袋」という意味。
1枚1枚表情の違う手袋を5枚で1セットにしました。
キャンプやガーデニングなどのアウトドアはもちろん、
ウォーキングや自転車に乗る際の防寒、
ちょっとした作業の時にも、
様々な場面で個性あるデザインをお楽しみ頂けます。
片方が汚れたり、破けたり、失くしてしまっても、
1枚1枚のデザインが違うため、
組み合わせを変えて長く使うことが可能です。
宮田織物のわた入れはんてんでも使用している
上質な綿の糸を使っているので、
手に優しくフィットする新感覚の手袋をお楽しみください。
西日本新聞 2020年11月11日掲載
創業100年以上の歴史を誇る
はんてん製造の老舗「宮田織物」(筑後市羽犬塚)が、
製造過程で余ってしまう糸を有効活用した
手袋「odd glove(オッド グローブ)」を製作した。
久留米市の軍手メーカーと協力した新商品。
担当者は「はんてんだけじゃないとアピールする好機にしたい」と話す。
「宮田織物」が軍手メーカーと協力
独特の模様おしゃれに 筑後市
同社は「久留米織」などの織物を手がける。
はんてんの売り上げは70年代に全盛期を迎えたが、
現在は婦人服や、はんてんのわたを抜いた「haori」など、
商品の幅を広げている。
織物は、織機で幅1.5メートルほどある大きな布を織るため、
糸巻きの最後の方に残る短い糸は使用できず大量に余る。
さらに、はんてんの種類を増やすほど余る糸も増えていた。
そこで同社企画部の澤田久美子さんが
昨年、他社が同じ悩みで手袋を作っていることを知り、発案した。
手袋は編む作業が必要で、織機しかない自社では製造できず、
久留米市の軍手メーカー「イナバ」に依頼した。
「新商品開発のために新しい糸が必要だった」というイナバ側も快諾。
多めに糸を譲る代わりに、
手袋を無料で編んでもらうことになったという。
手袋は4色の糸を1本にして編むことで、
多様な色が混ざり合ったような独特の模様を生み出す。
全て柄が違う手袋ができるため、
あえて5つで1セットにした。
「odd」は、「奇数」という意味だ。
「色の多様さは、豊富な種類のはんてんを製造する宮田織物の強み。
組み合わせを楽しんでほしい」と澤田さん。(平峰麻由)
(西日本新聞掲載記事より)
odd gloveの販売
odd gloveの販売は、宮田織物通販サイトおよび直営店舗等の
限られた店舗でのみ販売致しております。
本体価格:900円(片手5枚×1組)
サイズ:フリー(全長 約22cm±2cm)
本体:綿糸100%
ゴム糸:天然ゴム、ポリエステル
一枚一枚表情が異なる楽しみ。
他人とは違う、自分だけの一枚をお楽しみ下さい。
(宮田織物株式会社)