[半纏]昔ながらの長丹前
長丹前の疑問、質問にお答えするコーナーです。
長丹前をご存知ですか?
「ながたんぜん」と読みます。
通常のわた入れ半纏とは違い、
まるで着物にわたが入っているような丈の長い半纏。
こちらのコーナーでは、宮田織物に寄せられる
長丹前の疑問、質問についてを掲載しております。
<目次>
1、長丹前とは
正式には、
「着丹前(きたんぜん)」と呼び、
冬場の外出着として、
兵児帯や角帯などを締め、
以前は、外出着として使用されていたものだそう。
宮田織物の長丹前も、
着丈が【143cm】もあり、
すっぽりと覆われてしまう着心地は、
他のはんてんとは、まるで違います。
長丹前と同じように、
足首までの長さのあるわた入れで、
「寝巻き(ねまき)丹前」があるとのこと。
寝巻き丹前は、夜着(よぎ)とも呼ばれ、
夜寝る際に、お布団代わりにかけて寝ていたそうです。
もちろん、その仕立て方法も違います。
2、着丹前と寝巻き丹前の違い
<長丹前>
長丹前は、着物のように袖が付いており、
人形(にんぎょう)と呼ばれるスリット部分があります。
袖口も、途中までが開いており、
袖口の下の方は、縫いあわせてあります。
また、裾や袖口部分の裏地の
表への見せ方が全く違います。
<寝巻き丹前>
寝巻き丹前は、着物のような袖ですが、
人形と呼ばれるスリット部分がなく、
袖口は、全部開いております。
また、袖口・裾の表から見える裏地部分を
長丹前よりもかなり多く見せます。
昔は、嫁入り道具として、
着物と一緒に持って、
お嫁に行っていたとの事。
お教えいただいた江崎さんは、
未だにお嫁の時のものを、
大事に保管されているそうです。
3、長丹前の仕立てができる作り手
長丹前は、もちろん作り方も、
通常のわた入れはんてんとは、
比べものにならないほどの違いがあります。
全国的に、わた入れはんてんを
仕立てることができる作り手も
少なくなっているのですが、
その中でも長丹前を仕立てることが出来る
作り手はもっと少なくなっています。
お客様からも、
「ずっと探していたんです。
まだ、作っている人がいたんですね。」
と、感慨深くおっしゃられた
お客様がいらっしゃったのを覚えています。
当社でも、現在長丹前を
仕立てることが出来るつくり手は、
ごく限られた人のみです。
4、技術を継承する
先日、その中のおひとりから、
スタッフへ長丹前を仕立てる技術を教えて頂きました。
白い糸は、
仮留めする為ののしつけ糸。
- 和裁の技術
- わた入れはんてんの技術
- 縫いの技術
- 縫製の知識
全てを必要とします。
立ち会わせていただきましたが、
正直、手仕事の美しさに感嘆するのみでした。
5、「美しく、着心地よく仕立てる。」
その言葉通りの手さばきと、
滑らかで、無駄のない動き。
多数の工程があるのですが、
全てに意味があり、
全てが最後の仕上がりにつながります。
「ここは、ふわっとさせないかん。」
「ここは、ぴっと引っ張らんと、出来上がりが悪か。」
「ここは、先にピンを打たんとワタがずれる。」
など、随所で、
匠の言葉が飛びます。
わたの厚みの調節から、
細部に至るまで、こだわりを持って
丁寧に仕立てられている長丹前。
このような、職人と呼べる方でさえ、
1日に、1枚しか仕上げることができないとのこと。
手の込んだ逸品と呼ぶに相応しい品です。
※モデルが使用している黒の兵児帯は付きません。予めご了承下さい。
6、宮田織物の長丹前が購入できる場所
お買い求めは、宮田織物 通販サイトからご注文頂けます。
長丹前は、仕立てに
とても手間と時間がかかり、
技術を持つ人もとても少ない限られたものです。
当社でも毎年生産致しておりますが、
在庫を切らしてしまう可能性が高いです。
どうぞ、お気になられましたら、
お早めのご注文をお願い申し上げます。