服について考える

服について考える

薬を飲む時にふと思ったのは
なぜ「服用」という言葉に
「服」が入っているのかということ。

「服を用いる」のが
なぜ「飲む」ことになるのか。

宮田織物は、
生地織り、デザイン、縫製まで
ほぼ自社一貫生産で
服を作っております。

しかし「服」という言葉について
深く考えた事はありませんでした。

そこで今回はインターネットで
「服」という言葉について調べてみました。
引用も多用しておりますが、
どうぞ、ご容赦ください。

「服用」「服薬」、
そして「内服」「内服薬」

薬に関する言葉には、
どうしたわけか着るものであるはずの
「服」という漢字がよく使われています。

これには「服」という
漢字の語源に理由があります。
語源と言われている記述があるのは、
古代中国に編纂された地理書
『山海経(せんがいきょう)』

この書物の中で、
薬草などを「衣服」のように
体にまとい病気の原因となる
邪気を防ぐことを「外服」

体の中に入れて
体内で邪気を防ぐことを「内服」
と言い表しています。

この「内服」が、
「服」が使われている薬についての
語源であると言われています
言葉の救急薬様引用
https://99bako.com/2268.html

言葉の救急薬様のサイトに、
こんな記事がありました。

なるほど「外服」と「内服」、
そんな言葉があるのですね。

薬を飲むのは「内服」

からだにまとって皮膚か
ら薬効を取り入れるのは「外服」
風邪の時にネギを首に巻くと良いと
聞いたことがありますが
(そのまま巻くというより、
すりおろした物を布などに
包んで巻くと良いそう)
これは外服といえますね。

また、草木染めの服などは
まさに「外服」でしょう。

さて、宮田織物の服はというと、
草木染めではなく、お手入れの
簡便さや実用性を考えた上での、
化学染料を使った堅牢染めの生地を使っています。

和木綿という名前で、
糸選びから始まり、
自社で織り上げた、
宮田織物のオリジナルの織物。

ひとつひとつの生地に名前が付いています。

薬効こそございませんが、
素材自体が、皮膚を刺激せず、
適度な保温性、吸湿性、また気化熱で涼しいなど、
天然の空調と言われる綿100%の織物ですから、
適度な心地良さをまとえると考えています。

和木綿の話をもう少しすると、
久留米絣、久留米縞をルーツに持ち、
多種多様の色柄を展開しておりますが、
筑後地方の四季を映した色合いと
「かすれ、ゆらいでいる」柄行が共通項。

揃っていない、むらがある、
手仕事にも通じるそんな味わいを
持たせることで、

どこか懐かしく、
ほっとできる織物を目指しています。

またそのために、
糸使いや織り柄、色目にも
心を砕きます。

この和木綿を使った「服」の
心地良さや味わいが心の内服薬となり、
まとうことでその人らしさを引き出す
お手伝いができたら、こんなに嬉しい事はありません。

服は会意兼形声文字です。
「わたし舟」の象形と
「ひざまずく人の象形と右手の象形」
(「従える、つける」の意味)から
舟の両側につけるそえ板を意味し、
それが転じて「身に付ける」を意味する「服」
という漢字が成り立ちました

OK辞典様引用
https://okjiten.jp/kanji536.html

舟の両側につけるそえ板、つまり、
舟の形にそって付いている板→身(の形)に
そって付いているもの=服、という流れでしょうか。

従うという使い方があるのも(例:心服)
そのせいなのですね。

「服に着られる」というあまり
ありがたくない言葉もありますが、
「服」の成り立ちを知ることで、
服は従わせるもの、
服に着られてはいけないという
戒めにもなりそうです。

今回「服」について、
知らなかったことがたくさんあり、
少し物知りになれた気がします。

「服」はその人となりを表す
無言で多弁なツール。

まわりの空気感を変えてしまうほどの
パワーもあります…

といいながら、忙しさを理由に
適当な服選びをしている自分を
反省しつつ「服」の話は終了です。

※写真は令和元年六月一日のお昼ご飯。
玄米とお味噌汁ととれとれの茄子の味噌煮。
ほっとする味わいで、しみじみからだに優しく、飽きません。

宮田織物もそういう服を作っていきたいです。