[半纏]伝統の継承「とじ縫いの技と、半纏への想い。」
教えていただく方は、
宮田織物に20年以上勤務され、
わた入れはんてんの要である
わたを入れる工程や、とじの職人である森さん。
森さんは、65歳をこえ、
宮田織物を退職されてからもなお、
内職者として、
指導者として、
宮田織物のわた入れ半纏を
支えて下さっています。
今回は「とじ」の工程ではなく、
森さんが語られた
「わた入れ半纏の作り手の想い」
について、書きます。
わた入れ半纏の価値と理由
宮田織物がある福岡県筑後市は、
久留米絣の生産地としても有名ですが、
「久留米はんてん」等の名称で、
わた入れはんてんの生産も盛んな土地です。
正直、宮田織物のわた入れ半纏は、
価格だけ見れば、安い商品ではありません。
それには確かな理由があります。
作り手の森さんも、
よく近所の方から、
「そげん高くて売れるとね~」と
聞かれることも多いそうです。
やはり、海外生産などの
安価な商品なども多く出回っているこの時代。
「安くて、十分。」と考える人も多いです。
また、住宅の性能も上がり、
家が昔ほど寒くないという現状もあります。
そんな中で、森さんは、こう続けてありました。
でも、そうやって聞いてくる人は、
うちの半纏を着たことがない人やんね。
うちのはんてんは、わたが良い。
わたの質が違う。
もちろん布地も、全てここの会社で作ってる。
だから、布地もいい。
よそとは、違うんやけどね。
なかなかそれを伝えるのが難しいんやけどね。
そう言いながら、
はんてんの手とじ縫い方法を
教えて下さいました。
わた入れはんてんの「手とじ」については、
下記のページに詳しく記載しております。
「手とじ」の作業。
ひたすら【ひと針。ひと針。】なんです。
私も、わた入れ半袖半纏の愛用者ですが、
あのふんわりと柔らかな着心地に仕上げるために、
【ひと針。ひと針。】手作業で綴じていきます。
わた入れ半纏を一枚仕立てるために、
さまざまな工程がある中で、
その着心地を決める重要な工程である「手とじ」
この伝統の技を、これからも
新しい世代に引き継いで、
絶やさぬ努力を行なって参ります。